解答
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解説
2.5mgの不適切さ:
2.5mg(1日2回)は、下肢結構再建術施行後における血栓、塞栓形成の抑制に適応される用量であり、NVAF患者に対して2.5mgを投与した場合、脳卒中を予防するための十分な抗凝固作用が得られず、脳卒中リスクが増大する危険性が極めて高いため、不適切です。
10mgの根拠:
10mgは、日本の添付文書およびガイドラインにおいて、NVAF患者で出血リスクがある場合や、中等度腎機能低下(CrCl 15~49mL/min)がある場合に、有効性を維持できる最低限の用量として規定されています。
今回の薬剤師の提言は、この「適応と有効性・安全性のバランス」に基づいた適切な介入です。
💊 リバーロキサバン適応症と用法・用量一覧
| 適応症 | 標準的な用法・用量 | 減量 |
| 非弁膜症性心房細動(NVAF)患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制 | 15mg 1日1回 | 【腎機能による減量】 CrCl 30~49 mL/minの場合: 10mg 1日1回に減量 CrCl 15~29 mL/minの場合: 投与の適否を慎重に検討し 10mg 1日1回に減量 |
| 静脈血栓塞栓症(VTE) (深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制 | 初回:15mg 1日2回 (投与開始から3週間) 維持:15mg 1日1回 | |
| 下肢血行再建術施行後の抹消動脈疾患患者における血栓・塞栓形成の抑制(アスピリンと併用すること) | 2.5mg 1日2回 | |
| Fontan手術施行後における血栓・塞栓症形成の抑制 | 体重20kg以上30kg未満の小児: 2.5mg 1日2回 体重30kg以上50kg未満の小児: 7.5mg 1日1回 |
●薬剤師のアクションのポイント
薬剤師がこの事例で示した介入は、処方監査と薬物治療モニタリングに基づく専門性の発揮です。
★問題点の認識: Hb低下は出血のサインであり、減量の必要性を認識。
★医師の提案の評価: 医師の提案(2.5mg)が、適応(NVAFの脳卒中予防)を外れるリスクがあることを認識。
★エビデンスに基づく提言: 添付文書やガイドラインに基づき、NVAFの治療効果を維持できる減量用量(10mg)を正確に提案。
解説2
参考文献
1.イグザレルト錠 添付文書(バイエル薬品株式会社)
2.不整脈薬物治療ガイドライン
3.イグザレルト錠 インタビューフォーム
今月のこやし
今回の薬剤師の提言は、「この適応を維持できる最低限の有効用量」を逸脱しないようにするための重要な介入でした。
今、薬剤師には専門的な知識が求められています。そのため専門薬剤師は、高度な臨床知識を持つ証明であり、薬局の財産となりつつあります。一方で、長年の薬局経験で培われた地域の患者さんとの信頼関係や生活背景の把握は、薬局薬剤師にしかできない強みです。
この専門知識(専門薬剤師)と地域密着の視点(薬局薬剤師)を連携させることこそ、薬局の未来を築くことができます。
専門薬剤師資格の有無で業務を分けるのではなく、私たちは事例を学び、新ガイドラインを見ることから主体的に臨床力を高め、専門薬剤師の視点と連携する準備を整えるべきです。地域薬剤師会でも、新しい知識に触れる機会を積極的に作り、互いの専門性を認め合いながら、質の高い薬物治療へと繋げていけるといいですね。
今月の担当者



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