患者背景
76歳男性 Sさん
「ここ数日、 何もしていないのに心臓がドキドキすることがあってね。 もう年だから心臓も悪くなってきたのかな。 先生に心電図で診てもらったけど、 頻度も少ないから、 もう少し様子を見ようと言われました。 少し長く歩いただけで息苦しくなると言ったら、 『タバコをやめないと良くならない』って言われたよ。 前から言われていることだけど、 なかなかやめられなくて。 」
喫煙歴は40年になるとのことです。
「畑で野菜を育てるのが好きだ」と薬局でよく話されていましたが、 「最近は動くと息切れがするから、 畑には行っていない」とため息交じりに話されました。 また、 散歩や運動もやめてしまったそうです。
内服薬はきちんと服用されていますが、 最近は少し動いただけで息切れを起こすようになったため、 かかりつけ医から呼吸器内科の受診を指示され、 現在通院を開始しています。
処方内容
アムロジピンOD錠10mg
フェブキソスタット10mg
●お薬手帳より
ビレーズトリ エアロスフィア56吸入（他院呼吸器内科で新規処方）
●その他の情報
身長：167cm
体重：62kg
検査値：
TSH：0.84 mIU/L
FT₃：2.71 pg/mL
FT₄：1.06 ng/dL
TRAb：0.6 IU/L
BNP：23 pg/mL
CK：138 U/L
Hb：14.2 g/dL
問１.次のうち動悸の原因とならないものはどれか。 １つ選べ。
- 虚血性心疾患
- 甲状腺機能低下症
- 貧血
- 自律神経失調症
- β₂刺激薬
問２.Sさんの動悸の原因や対応について考える際、 正しいものを２つ選べ。
- ビレーズトリエアロスフィアの副作用として動悸が生じる可能性があるため、 処方医に疑義照会する。
- 喫煙が動悸や息切れの悪化要因となるため、 禁煙の重要性を患者に伝え、 禁煙プログラムの利用を提案する。
- 最近の検査結果が正常範囲内であるため、 動悸は心因性の可能性が高いと判断する。
- 運動不足が動悸の悪化要因になり得るため、 無理のない範囲で運動を始めるよう勧める。
- 動悸が軽度であり、 頻度が少ないため、 経過観察を指示する。
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