パーキンソン病の治療でエフピーOD錠を服用中の患者に新規処方されたアジレクト錠

解答

選択肢のすべてが誤っている

解説

アジレクトは、エフピーと同じMAO(モノアミン酸化酵素)-B阻害薬であるがアンフェタミン骨格を有しないため、覚醒剤原料の規制対象にはならない。また、他のMAO阻害薬との併用により本剤のMAO-B選択性が低下する可能性があり、MAO-A阻害作用により脳内のモノアミン濃度が上昇し、高血圧クリーゼセロトニン症候群等の重篤な副作用が発現するおそれがある。
アジレクト錠の添付文書には、併用禁忌としてエフピーOD錠(セレギリン)の記載がある。「措置方法としてセレギリンの投与を中止してからアジレクト錠を開始するまでに、少なくとも14日間の間隔を置くこと。また、アジレクト錠からエフピーOD錠(セレギリン)への変更時も同様に、アジレクト錠を中止してから少なくとも14日間の間隔を置くこと」と記載がある。1)

覚せい剤取締法の一部が改正され、2020年4月1日に覚醒剤取締法が施行された。
変更点について
①「覚せい剤」の表記が「覚醒剤」に改められた。(覚せい剤取締法→覚醒剤取締法)
②自分自身の治療目的の場合、許可を受ければ覚醒剤原料の携帯輸出入が可能となった。
従来は、治療に必要な場合でも、覚醒剤原料は海外に持ち出すこと、あるいは帰国時に国内へ持ち込むことが不可であった。2020年4月の改正で、予め厚生労働大臣の許可を得れば、自己の疾病の治療目的で覚醒剤原料を携帯して出入国することができるようになった。
③患者が不要となった医薬品の覚醒剤原料を薬局で処理できるようになった。
従来は、不要となった医薬品の覚醒剤原料を、患者本人やご家族が薬局に持参しても受け取ることが法律上できなかった。廃棄方法を伝えて、本人やご家族に廃棄してもらっていたが、2020年4月以降、不要となった薬を薬局で引き取り、廃棄できるようになった。
薬局で処理する場合には、自薬局で調剤した医薬品の覚醒剤原料以外(他の薬局で調剤されたものを含む)の薬剤の受取りが可能である。
一方、病院や診療所の場合、自施設で交付した覚醒剤原料以外は処理できないため注意が必要である。
そのため再入院・転入院の際に患者が持参し、施用する必要がなくなった薬のうち当該病院以外で処方された覚醒剤原料については患者自身に廃棄するよう指導する必要がある。
④品質不良等の場合、許可を受ければ、薬局から覚醒剤原料製造業者等へ医薬品の覚醒剤原料を譲渡できることが可能となった。
⑤調剤済みのものに限り、都道府県職員の立会いなしに廃棄が可能になった。
従来は、調剤済みの医薬品の覚醒剤原料を引きとり、廃棄することは法律で禁止されていた。2022年4月の改正で調剤済みの医薬品の覚醒剤原料を廃棄する際のルールが制定された。調剤済みの医薬品の覚醒剤原料について都道府県職員の立会いなしに廃棄できるが、他の薬局職員(管理薬剤師等)が廃棄に立ち会うことが望ましいとされた。また、廃棄後30日以内に都道府県知事に廃棄届出書を提出する必要がある。
⑥帳簿の作成が義務化された
帳簿には医薬品覚醒剤原料の品名・数量・年月日を記載し、最終記入日から2年間保存しなければならない。なお、患者またはご家族から調剤済みの覚醒剤原料を引き取り、廃棄した場合は、患者またはご家族の氏名も併せて記録することが求められている。2)

選択肢と解説まとめ

1 エフピーOD錠の残薬がある旨を医師に照会した。照会した内容に対し返された医師から指示に基づきエフピーOD錠の残薬を飲み切った翌日からアジレクト錠を服用するように患者に伝えた。
【誤り】
➡アジレクト錠の添付文書に、併用禁忌としてエフピーOD錠の記載がある。「措置方法としてエフピーOD錠の投与を中止してからアジレクト錠を開始するまでに、少なくとも14日間の間隔を置くことと記載があり。今回のケースもエフピーOD錠を中止後、休薬期間が必要である。

2 投薬済のエフピーOD錠の残薬については薬局では廃棄できないため、自宅にてご自身で廃棄するように伝えた。
【誤り】
➡2020年4月の覚醒剤取締法の一部が改正に伴い、不要となった医薬品の覚醒剤原料を薬局で処理することが可能となった。

3 残薬のエフピーOD錠を引きとった後、廃棄には都道府県職員の立会いが必要である。
【誤り】
➡調剤済みの医薬品の覚醒剤原料について都道府県職員の立会いなしに廃棄できるが、他の薬局職員(管理薬剤師等)が廃棄に立ち会うことが望ましい。

4 調剤済み医薬品の覚醒剤原料を引き取った場合、その品名・数量・年月日を帳簿に記載しなければならない。
【誤り】
➡調剤済みの覚醒剤原料を引き取り、廃棄した場合は、その品名・数量・年月日の他、患者またはご家族の氏名も併せて記録する必要がある。

5 調剤済み医薬品の覚醒剤原料を引き取った場合、廃棄後30日以内に「交付又は調剤済みの医薬品である覚醒剤原料譲受届出書」を厚生局に届け出る必要がある。
【誤り】
➡「交付又は調剤済みの医薬品である覚醒剤原料譲受届出書」は都道府県知事に届け出ることになっている。

参考文献
1)アジレクト錠インタビューフォーム
2)覚醒剤原料取り扱いの手引き(令和2年)

こんな服薬指導を

薬剤師
薬剤師

これまで服用されていたエフピーOD錠の効果が体内から消失するまでに10日以上の時間がかかります。その旨を医師に伝えたところ、残っているエフピーOD錠は明朝の分から中止とし、今回処方されたアジレクトについては、14日後の〇月△日朝の分から服用を開始していただくことになりました。
また、残っているエフピーOD錠については次回来局時にご持参いただき、当局で廃棄させていただきたいと思います。

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